テーマパーク事業のハピネス&サステナビリティストーリー
「食」のスペシャルイベントを通じて、
「循環型社会」への想いを伝えたい

東京ディズニーシーでは、2025年4月8日~6月30日にスペシャルイベント「東京ディズニーシー・フード&ワイン・フェスティバル」を開催。このイベントは、異国情緒あふれる雰囲気の中で、「食」をお楽しみいただけるものとなっています。イベント期間中は、テーマパークというひとつの「街」のような機能を活かし、ゲストの皆さまがサステナビリティについて考えることができるよう、小さなきっかけをちりばめています。そんな取り組みの概要や、そこにこめた想いについて、フード本部フード開発調達部と、経営戦略本部サステナビリティ推進部の担当者が、ご案内します。
もくじ
CONTENTS
「食」のイベントを通して、「循環型社会」の大切さを紹介

食べて飲んで、笑顔が広がる「食」の祭典

「東京ディズニーシー・フード&ワイン・フェスティバル」は、世界の料理やバラエティ豊かなドリンクを味わいながら、イベントならではの「食」にまつわるデコレーションやグッズ、アトモスフィア・エンタ―テイメントをお楽しみいただけます。開催2年目となるこのイベントは、東京ディズニーシーの7つのテーマポートで展開します。また、イベントの食べ巡りメニューやサステナビリティ活動を含めた複数の施策は、私が所属するフード本部が担当しています。
「フード&ワイン・フェスティバル」は、世界各国のディズニーテーマパークでもおなじみのイベントですが、私たちは、東京ディズニーリゾートでサステナビリティに触れるきっかけをご用意しました。そして誰にでも身近な「食」を起点とするからこそ、サステナビリティにまつわる私たちの取り組みや、そこにこめた想いを、ゲストの皆さまに、より感覚的に理解していただけるのではないかと思っています。
「循環型社会」の実現に向けた取り組みを拡充

私が所属する経営戦略本部サステナビリティ推進部は、 OLCグループのサステナビリティに関する戦略の策定に携わっています。
OLCグループでは、持続可能な未来のため、さまざまな社会課題に取り組んでいますが、中でも「循環型社会」の実現を重視しています。
1日あたり数万人のゲストの皆さまにお越しいただくというテーマパーク事業の特性上、お食事の提供量は非常に多く、それに伴い食材や資材を多く使用しているためです。

フード本部では、パーク内で提供するさまざまなメニューの開発から提供、お食事後の使い捨て包材を含めた後片付けまでを一貫して手掛けているのですが、どうしても環境に負荷のかかる工程が多くあります。ただ、それだけに改善の余地も大きく、これまでも、循環型社会の実現に向けた、さまざまな施策を行ってきました。
「東京ディズニーシー・フード&ワイン・フェスティバル」においても、資源ごみのリサイクル促進や、アップサイクル商品の提供など行っています。
もちろん、私たちのサステナビリティ活動は、循環型社会への取り組みだけにとどまりません。本イベントでも、プラントベースメニューなど「食」の多様性への配慮や、環境に配慮した調達など、多岐にわたる施策を行います。
「東京ディズニーシー・フード&ワイン・フェスティバル」における
多彩なサステナビリティの取り組み
ゲストとともに分別に取り組む

イベント期間中は、特別仕様のエコステーションを設置し、ごみの分別品目を拡充します。また、一部のごみ箱にはソーラーパネルを組み込み、ごみがたまると自動で圧縮する仕組みとなっており、キャストのごみ収集の負担軽減や効率化が実現できるようになります。
またこのイベントでは、お近くのキャストにお声がけいただくと、オリジナルシールをお渡しします。ゲストの皆さまが分別を意識していただくきっかけとなり、このイベントを楽しんでもらえたらという想いをこめています。


廃棄物から新たな価値を生み出す「アップサイクル」商品

東京ディズニーリゾートでは、廃棄されるはずだった資源に、新たな付加価値を持たせた「アップサイクル」の資材・メニューをご用意しています。
本イベントにおいても一部のメニューで、抽出後のコーヒー豆を活用した食べられるスプーンや、間伐材(竹)を使用したストローをご提供するほか、規格外のイチゴを使用したスペシャルドリンクをお楽しみいただけます。
また、東京ディズニーリゾートでご提供するすべてのポップコーンは、持続可能性に配慮したパーム油を使用し、その包材にも、環境や社会に対して持続可能な森林管理のもとで作られた製品を認証するFSC®認証紙(*)を使用しています。

*ポップコーンの包材は、適切に管理された森林と、責任を持って調達された林産物に対する国際的な認証制度である「FSC®認証」が取れた紙を使用しています
写真はイメージです
©Disney
今回のイベントを通して伝えたい、私たちの想い
身近な「食」を切り口とした、さまざまな仕掛けを通して
サステナビリティの世界観に触れてほしい

私は、「サステナビリティ」という言葉が示すのは、「自分の体験の前後に関わっているたくさんの人が、これからもより心地よくいられるよう、思いやりを持つ」という世界観だと考えています。
つまり今、自分の目の前にあるものが、どんな材料を使って、どんな人たちの関わり合いで生まれ、どのようにしてここまで届けられてきたのか。そういったプロセスに、一人ひとりが気づき、目を向け、行動をあらためていく先に広がるのが「サステナブルな世界」なのだと思います。そして、そのような考え方は、これまでも当たり前に受け継がれてきたものであり、皆さまの日々の生活の選択や行動の中に自然と溶け込んでいるのではないでしょうか。
私たちがパークで提供する一つひとつのメニューにも、たくさんの人々が関わっています。「食」の安全に配慮した食材の生産者や、誰でもおいしく食べられるようレシピを考えた人、心をこめて調理した人、創意工夫を重ねて食材や資材の調達に関わる人、お食事後の後片付けをする人……。
ゲストの皆さまにとって、そういった多くの人々の想いに触れたり、私たちのサステナビリティの取り組みを感じたりするきっかけになればと、本イベントでは随所に仕掛けをちりばめました。

テーマパークならではの体験を通し、
良い変化をもたらすきっかけを持ち帰っていただきたい

ウォルト・ディズニーは、かつてEPCOT(Experimental Prototype Community of Tomorrow)という構想を描いていました。彼は当初、このテーマパークを単なる娯楽施設ではなく、理想都市のモデルとしても捉えていたのです。
テーマパークは、ある種の「特区」です。パークで実験的なプロジェクトを実施し、全国からゲストを招くことで、彼らがそれぞれの地域に戻った際に実践できるような事例やモデルを提供できるかもしれません。
私自身も、ウォルト・ディズニーが思い描いたEPCOTの世界観を体現する場所として、東京ディズニーリゾートや舞浜が発展していくよう、今後も役割を果たしていきたいと考えています。
また私が目指すサステナビリティは、パークの中に、ゲストが自然とサステナビリティの世界観に触れる仕掛けを随所に施すことを意識しています。
テーマパークでの何気ない体験を、ゲストの皆さまが日常生活に戻った際にも思い出し、それが一つひとつの選択や行動に結びつき、良い変化をもたらすきっかけとなる。そして、一人ひとりが心地よい行動変容を習慣として積み重ねた先に、そのような好循環を生み出すことを期待しています。
また、このような好循環は、「環境」のみではなく、「食の多様性」への対応、「持続可能な調達」に関わる方々への共感を持つ購買行動など、多岐にわたります。
もちろん、イベントを存分にお楽しみいただくことが、何より大切です。そのため、本イベントにおいても、サステナビリティ要素は、あくまで自然な形で存在するエッセンスのひとつとして取り入れています。ふとしたときに「心地よさ」を感じられてこそ、長く続けられる習慣となり、大きな輪として広がっていくのだと思います。
私たちのテーマパークが、ゲストのみならず、キャストやお取引先の皆さまといったすべてのステークホルダーの夢がかなう場所であり続けたい。そんな未来を目指して、一つひとつの取り組みを着実に増やしていきたいと思います。
パークで体験した気づきが、テーマパークの外に出た後にも、
そのまま継続して、紡がれていくように

私たちOLCグループは、企業として長期持続的に成長するとともに、持続可能な社会にも貢献することを目指し、「循環型リゾート」実現への取り組みを推進しています。
循環型リゾートの実現に向けては、事業を通して排出する廃棄物や水、CO2といった環境への負荷をできる限り減らすことが必要になりますが、私たちはその中でも、廃棄物に関わる取り組みが、特に優先的な課題であると認識しています。
今回のイベントでも、できる限り捨てるものを減らし、リサイクル・リユースしていくという、廃棄物削減の取り組みをさらに拡充しました。
また、廃棄物の分類は、ゲストの皆さまに協力していただくこととなりますが、テーマパークで体験するからこそ、特にお子さまなどにとっては印象に残っていくのではないでしょうか。ここで得た気づきが、パークを出た後もそのまま継続し、自身の行動を変えていくようなエネルギーへと紡がれ、ゆくゆくは社会に対してポジティブな影響を及ぼしていく……。今回のイベントには、そんな期待もこめています。
もちろんOLCグループでは、持続可能な社会のため、本イベントに限らず、パーク全体において通年にわたって、さまざまなチャレンジを重ね、取り組みを強化していきます。本イベントが、私たちのサステナビリティへの想いを、より身近に感じてただくきっかけになればと思っています。

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