OLCグループの事業に「水」は欠かせない貴重な資源であります。テーマパークの開園以来、⼀貫して「資源のムダをなくす」ことに取り組んでおり、⾃主的に排⽔の浄化処理を⾏うとともに、⽔資源のリサイクルに取り組んできました。
各年代に応じた最新のシステムを導入し、アトラクションや施設の設計段階から導入・改修・更新などの施設のライフサイクルにあわせて、環境に負荷をかけない取り組みを続けています。
地球温暖化に起因する気候変動の影響による降雨状況の変化に伴い、渇水に代表される自然災害が増加するリスクも想定されています。
OLCグループ環境方針「水資源の有効利用」に則り、水資源のリサイクルはもとより、水取水量の削減に向けた取り組みも進めていくことで、長期持続的な事業基盤を構築しながら、多くの水を利用する企業として社会への責任を果たしていきます。
当社グループでは、経営戦略本部長(取締役常務執行役員)を委員長とする「環境対策委員会」を設置し、委員長の責任のもと、気候変動を含む環境対策に関わる目標の設定や計画の策定を行っています。当社グループ内での給排水については、関連する法規が多岐にわたる(*)ため、『OLCグループ給排水ガイドライン』を策定し、ガイドラインに沿って給排水を適正に管理・運用するための体制を構築しています。環境活動における目標の進捗や計画などは、環境対策委員会を通して年1回の活動報告とあわせ、重要な環境課題についても取締役会に報告しています。また、水を含む気候変動・自然災害への対応といった環境課題を重要な経営課題として捉え、取締役会にて「気候変動・自然災害」「循環型社会」をESGマテリアリティに組み込むことを決議し、計画の進捗を監督しています。
*グループの立地環境や業態によって、『水質汚濁防止法』『水道法』『ビル管理法』『下水道法』など、多くの法令が関わっています。
従来から取り組んでいる、自社の水処理施設で水資源のリサイクルに加え、水取水量の削減に向けた当面の目標として、2024年度を基準年とし、2027年度までに取水量(*)の1%削減を目指します。また、当社グループの長期目標を2027年度までに設定します。
*上水、井水、温泉水、工業用水
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東京ディズニーリゾート関連
当社グループでは、自社の水処理施設で排水の浄化処理を行うなどとともに、水資源のリサイクルを通じた水使用量の削減に取り組んでいます。
テーマパークやホテルで使用された水は、自社の水処理施設に集めて浄化しています。東京ディズニーランドや東京ディズニーシー、一部のホテルなどのトイレの洗浄用として使用する水は、自社設備によってリサイクルしています。2023年度は年間960千m3の雑用水(中水)を生成しました。
これは、総取水量のうち19%に相当する量を有効利用してします。
東京ディズニーリゾート関連
テーマパークの水域や水を利用したアトラクションには、ろ過装置を設置し、徹底的な水質チェックを経てすべて効果的に循環させることで衛生的に水質を維持しています。
例えば、東京ディズニーシー広大な水域の水は、大容量の循環ろ過浄化システムにより、晴れの日には自然蒸発した分のみを給水、雨の日にはオーバーフロー分を調整し、効率よく水位を一定に保っています。また上水を利用した噴水などの水も、そのまま東京ディズニーシーの水域へ流れ込み、すべての水をムダにせず有効活用するシステムをとっています。
また、東京ディズニーリゾートでは、取水流域の給水制限や取水制限の際に、節水施策を行うこととしています。
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一部の従業員食堂の厨房に、特殊な節水蛇口をテスト導入したところ、使用量に一定の削減効果が確認できました。
今後、テーマパークの厨房に導入の拡大を検討していきます。