方針・規定

アトラクションの安全に関する方針

東京ディズニーリゾート関連

日々多くのゲストが東京ディズニーランドと東京ディズニーシーのアトラクションを利用します。ゲストがいつも安心してアトラクションを楽しめるよう、『アトラクションの安全に関する基本方針』を定めています。

アトラクションの安全に関する基本方針

「夢、感動、喜び、やすらぎ」を永遠に提供し続けるため、わたしたちは、アトラクションにおける安全性の維持・向上に真摯に取り組み、質の高いアトラクション運営を行ってまいります。

 

  1. 安全に関する法令とわたしたちで定めた基準を遵守します。
     
  2. すべてのアトラクションについて安全に関する施設、手順の改善に努めます。
     
  3. 最高のショーを提供し続けるために、わたしたちはパークオペレーションの安全を常に維持します。
     
  4. 安全対策を全ての従業員が積極的に行えるよう教育します。

体制

安全管理のための監査・社内連携体制

東京ディズニーリゾート関連

アトラクションや施設の安全確保のためには、メンテナンス担当部門とオペレーション担当部門の双方が、日々連携をとりながら誠実に役割を遂行することが基本であるため、メンテナンス担当部門とオペレーション担当部門は定期的な打ち合わせを実施し、日々のコミュニケーション向上に努めています。
またそれぞれの部門のマネジメントは、キャストと日常的に緊密なコミュニケーションを図ることで、小さな変化や不安全の芽を組織として把握しています。あわせて、施設の管理責任者による現場確認も実施しています。
ハード面は基準に沿ったアトラクションの点検・整備が確実に実施されているかを監査する安全品質監理室、ソフト面ではマニュアル通りのオペレーションが確実に実行されているかを監査する運営監理部が監査を継続的に実施しています。

活動・パフォーマンス

アトラクションの安全を確保する取り組み

東京ディズニーリゾート関連

アトラクションのハード・ソフトの両面から安全を追求しています。

ハード面での取り組み ~設計時の安全について~

すべてのアトラクションが、「安全」を最優先として設計されています。特にコースター系のアトラクションでは、セーフティーバーなどの安全装置を設置するとともに身長などの利用制限を設け、これを厳格に遵守しています。
また、ゲストの柵越えや飛び出しを想定した設備として、水域のアトラクションの一部には手すりや水際に防護ネット、すべてのコースター系アトラクションなどの乗降場には自動開閉ゲートを設けています。「ソアリン:ファンタスティック・フライト」では、子どもの座席からのすり抜けを防止するためにセンターストラップを装備しており、すべてのゲストが安全に楽しめる仕様になっています。

子どものすり抜け防止(2019年度撮影)
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子どものすり抜け防止(2019年度撮影)

アトラクションの安全性を高める工夫(2022年度)

「キャラバンカルーセル」

アトラクション乗降時の安全性を高めるために、ゲストが乗降時に使用する踏み台を大型化することで踏み外しによる転倒を防止し、より安全に乗降できるようになりました。

踏み台を縦12cm×横40cm から縦22cm×横53cmに大型化

ハード面での取り組み ~メンテナンスについて~

施設全体の点検・整備は、総勢約1,000名に及ぶ技術者()がシフトで点検することで安全性を確認・管理しています。法定点検の実施に加え、自社整備基準に基づき、日常点検、定期点検、整備を行っています。その他、年間約600台のビークル(乗り物)を自社工場に搬出し、分解整備を行っています。ビークルは分解後に非破壊検査をはじめ各種検査や部品交換を行い、組立後の検査完了後にアトラクションに搬入され、最終の走行テストを経て点検整備が完了します。また、整備基準の継続的な見直しを行うとともに、点検・整備作業の実施状況の監査を行っています。一部のアトラクションでは、一定のクローズ期間を設け、該当する施設全体にわたり非破壊検査などの日常点検以上の徹底的な点検・整備を実施しています。
一定規模以上の地震が発生した場合、ゲストが安全に降車できる場所で停止させ、避難通路にて安全に避難できるようになっています。そして、地震規模に応じて設定している点検基準・項目に則り、点検を実施し、アトラクションの安全性を確認します。

 

*メンテナンスを行う技術者には、株式会社オリエンタルランドの技術本部に所属する社員やOLCグループ内のメンテナンス子会社、協力会社の社員が含まれます。

ソフト面での取り組み ~運行時の安全について~

すべてのアトラクションでオペレーションを担当するキャストによる安全確認を徹底しています。

例えば「ソアリン:ファンタスティック・フライト」では、ゲストがシートベルトを装着した後に、キャストはシートベルトのロック状態を座席の上のランプ点滅で確認します。さらにゲストにシートベルトのイエロータブを引っ張るようキャストが声をかけることによって、ゲストとキャスト双方でシートベルトのロックを確認しています。

シートベルトのランプ(2019年度撮影)
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シートベルトのランプ(2019年度撮影)

安全教育

東京ディズニーリゾート関連

従業員に加え、工事などを担当する委託業者にも、安全の確保と品質の向上のための教育を実施しています。
施設の点検・整備のための一定のクローズ期間には、キャストと工事を担当する委託業者がアトラクションのテーマやバックグラウンドストーリーについて学ぶプログラムを受講し、それらに沿った点検・整備を行うことで、ゲストに安全と良質な体験を提供しています。また、点検・整備の際に、アトラクション軌道上などで作業している際に乗り物が稼働することがないようシステム管理する、ライド・モーション・プロテクション・システムについては、システムを使用するキャストや、メンテナンスを担当する委託業者を対象としたトレーニングも実施しています。
新人キャストは、マニュアルの手順に沿ったオペレーションを身に付けるだけでなく、どんな状況でも柔軟な対応ができるよう、先輩キャストとのOJT(実地トレーニング)を繰り返し、見極め期間を経てひとり立ちします。加えて、パークオープン前やパーククローズ後などの時間帯を使い、アトラクションを停止させて実施する避難誘導訓練を定期的に行っています。