
2009年10月 |
オリエンタルランド入社 第2ショー運営グループ 東京ディズニーシー パークワイド(水域)配属 現在に至る |
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さまざまなスタッフの想いとゲストを繋ぐ
私が担当するTDS水域ショーでは、メディテレーニアンハーバーの大きな海で公演する「ファンタズミック!」や、スペシャルイベントショーの公演運営を担当しています。運営の際は、出演者の安全をモニターするポジション、船の航行を管理するポジションなど複数に分かれ、その全てを公演統括のステージマネージャーが管理し、日々安全に公演を行うための判断をしています。
私たちのプログラムでは、出演者、操船者、大道具・小道具スタッフ、花火スタッフ、音響、照明スタッフ等数多くの人が関わっています。その多くのスタッフの思いを集結させて、最高の状態でゲストに届けるのがステージマネージャーの仕事です。
想いを形にするために
公演運営以外の大切な仕事は新しいショーの開発準備です。ステージマネージャーは開発準備の中でも、”演出家が描いた構想をいかに実現させるか”という部分に深く関わります。
私が初めて立ち上げに関わったショーは、入社2年目に担当した「ファンタズミック!」でした。開演5カ月前から準備を始め、まずはショー全体のフォーメーション図面を見ながら、水上オートバイを含む、すべての船舶が演出家のイメージ通り動けるように、先輩方と航路を何パターンも考えて、タイムを計り、音に合わせてタイミングを決め、リハーサルに臨みます。リハーサルは、深夜または日が昇ってからパークオープンまでの短い時間で行うため、操船者と事前にイメージを共有し、陸地での練習も行います。どんなに事前準備をしても実際にやってみると想定と異なることが出てくるので、また新たなプランを考える、ショーオープンまではその繰り返しです。苦労も多いですが、もしもこれが実現出来たらすごいショーが実現出来る!と思うと力が湧いてきます。

どんな時でも諦めずに可能性を考え抜く
前職では、空間ディスプレイデザイナーとして、展示会や、商業施設で行われる季節イベントのデザインを行っていました。空間の仕事は多面的に物事を見て一つのものを創ることが必要でしたが、その力は今の仕事で船のフォーメーションを作る際にも活かされています。
東京ディズニーリゾートのエンターテイメントの魅力は、ゲストを飽きさせないところだと思っています。私自身も日々仕事を通じて新しい発見があり、あっという間に入社から10年が経ってしまいました。ステージマネージャーの仕事は大変なことも多いですがが、それを上回る魅力や達成感があります。どんな時でも諦めずにいろんな可能性を考えられる粘り強さと発想力を持った人と一緒に働きたいと思っています。

スペシャルイベントにてゲストの前で船が停止してしまったことがありました。その日はイベント最終日で、あと2回公演を控えていたので、ゲストの方々からの期待も高くプレッシャーを感じましたが、船が動き始めたときにゲストが拍手をしながら声援を送ってくれました。私たちのショーはゲストの期待によって支えられていると改めて感じ、とても感動しました。
空間デザインの仕事では、作品を完成させることが目標で、出来上がった後に現場を訪れることは多くなかったため、作り手としてもっと生の声を聞いて、お客さんが喜んでいる姿を見たいと感じていました。学生時代にパークでアトラクションキャストとして働いていた経験から人を楽しませる場所はここが一番だと思っていたため、転職活動でこの仕事を見つけ、「自分が作ったものを運営しながら、ゲストの反応が見られる。まさにこれだ!」と思って転職を決めました。
前職ではプロジェクト毎に異なる人と関わっていましたが、今の仕事ではさまざまな人と信頼関係を作りながら仕事を進める機会が増え、コミュニケーションをとる力が成長したと思っています。小道具一つであっても、使い手である出演者、製作者やメンテナンスを担当するスタッフ、ゲスト、さまざまな人の立場に寄り添いながら最善の物を作る必要があります。全体バランスを考える必要性からより視野が広がったと感じています。
いつかは上位職であるプロダクションステージマネージャーを目指したいです。今後パークの拡張も予定しているので、新しい施設で行うショーの立ち上げにもゼロから携わってみたいですね。また仕事で培った能力を活かしながらエンターテイメントを軸として、オリエンタルランドの色々な仕事にもチャレンジしてみたいと思います。