テーマパーク事業のハピネス&サステナビリティストーリー
「2050年温室効果ガス排出量ネットゼロ」への
私たちのアクション

私たちは、ゲストの皆さまに快適な環境で楽しんでいただくと同時に、温室効果ガス排出量を削減していくことを目指しています。 今回は、OLCグループの気候変動対応の取り組みを推進する技術管理部と、テーマパーク内の設備機器を管理・更新する設備部の担当者が、環境負荷低減のために行っている、「変える」「減らす」「創る」取り組みについて、ご紹介します。
もくじ
CONTENTS
2050年までに温室効果ガス排出量をネットゼロに

ネットゼロを目指すための、3つの取り組み

私は、気候変動や自然災害に対応するための活動を推進する「気候変動対応分科会」の事務局メンバーとして、さまざまな取り組みに携わっています。
東京ディズニーリゾートでは、ゲストに快適に過ごしていただくための空調のほか、アトラクションや機器を冷やしたりするなど、様々な場面でエネルギーを必要とします。そこで、私たちは、「2050年までに温室効果ガス排出量をネットゼロ*にする」という目標を掲げました。
この目標を実現するために、「変える」「減らす」「創る」という3つの方向性で、取り組みを進めています。
*ネットゼロ:温室効果ガスが排出される量と、吸収・固定される量の差し引きがゼロになること。

高効率の機器へ「変える」、
再生可能エネルギー由来の電気に「変える」

大型空調機器を、高効率のものに「変える」

私が所属する設備部では、空調設備を24時間365日安定稼働させるため、設備の更新や運用計画立案、メンテナンスなどを行っています。
東京ディズニーリゾート内の空調の多くは、開園以来セントラル空調方式で稼働しています。「セントラル・エネルギー・プラント」という集中熱源棟にある大型空調機で冷水や温水を作り、それらが配管を通って各建屋に届けられ、空調を行う仕組みです。
冷水・温水を作るために長時間運転する必要がある大型空調機を、高効率のものへ入れ替えていくことで、環境負荷の低減を目指しています。
使用エネルギーを、ガス・ガソリンから電気へ「変える」

また東京ディズニーリゾートでは、温室効果ガス排出量の観点から、使用エネルギーを転換する取り組みを行っています。
ガスやガソリンから電気へ変えることで、使用時の温室効果ガス排出量を抑えることができます。例えば、東京ディズニーリゾート内を走行する「オムニバス」と「ビッグシティ・ヴィークル」については、ガソリン車から電気自動車に順次変更しています。
さらに、東京ディズニーシーのアトラクション「レイジングスピリッツ」では、従来、ボイラーによって生成していたスチームエフェクトを、水と空気で生成したミストを空気の力で上昇・拡散させる方法に変更することで、ボイラーの稼働を停止することができました。

電気自動車「ビッグシティ・ヴィークル」

再生可能エネルギー由来の電気に「変える」試み

このように、ガスやガソリンから電気へと、使用エネルギーを変えていますが、温室効果ガス排出量削減のために、購入する電力を再生可能エネルギー由来のものに変える、という取り組みにも力を入れています。
私は、各施設に電気を供給する設備の運用管理や、電力会社からの電気の購入を担当しています。「電気インフラの番人」として、電気の安定供給を確保しつつ、コストや環境負荷低減のバランスを取っていくことが私の使命です。
再生可能エネルギー由来の電力の調達に関しては、電力会社と密に連絡を取り合い、コストや調達確度についてヒアリングを重ね、どのような再生可能エネルギーのメニューが最適か検討を進めていきます。そのうえで今後の調達戦略を決定し、毎年決まった量の再生可能エネルギー由来の電力を安定的に調達できるよう尽力しています。

効率的な運用で「減らす」
空調設備の効率的な運用で「減らす」

空調設備の効率の良い運用で、環境への負荷の低減を目指すのが、「減らす」取り組みです。
東京ディズニーリゾートでは、夜間に作業を行う従業員もいることから、24時間365日、空調を稼働させています。安全性や快適性の観点から、決して止めることができない空調機は、いかに効率よく、最低限のエネルギーで稼働できるかが、環境への負荷を低減するための鍵となります。
「セントラル・エネルギー・プラント」には、年間の運転量や屋外の温度・湿度を監視する機能があり、それを分析して、年度ごとの効率的な運転計画を立てています。さらに、すべての建屋について、何時から何時までの稼働が必要かを細かくヒアリングしたうえで、スケジュール化し、24時間体制で管理を行っています。
現在はOLCグループのチームメンバーで、きめ細かく運転計画を立てていますが、今後、このプロセスを最適化する方法を模索しており、AIの活用も検討しています。
空調設備の効率運用は継続していきますが、環境への負荷を減らしながら、ゲストに快適に楽しんでいただくために、さらに地熱の活用などの新技術についても、常にアンテナを立てて取り組んでいきたいです。

従業員の気づきとアイデアで「減らす」

「減らす」取り組みにおいては、ハード面だけではなく、私たち従業員の理解というソフト面も重要です。
例えば冬場には、ゲストがコートを脱いでアトラクションに乗る場面が多く見られました。そこで従業員のアイデアで、アトラクション内の温度設定を少し下げてみたところ、入退場がスムーズになるだけでなく、省エネにもつながりました。
また、「エコウェブ」という、使用電力を時間単位で「見える化」できるシステムを導入したことも、エネルギー使用量削減につながっています。あるレストランでは、現場責任者からのアイデアで、開園前・閉園後の電子看板(デジタルサイネージ)の点灯時間を短縮し、その効果を「見える化」システムで確認を行い、省エネ活動のPDCAサイクルを回しています。
従業員への意識醸成を行い、このような従業員目線での省エネにも積極的に取り組んでいます。

太陽光発電で、エネルギーを「創る」
景観に配慮しつつ、毎年計画的に太陽光発電設備を設置

「変える」 「減らす」による環境負荷の低減には、どうしても限界があります。そこで、太陽光発電によりエネルギーを「創る」活動にも力を入れています。太陽光発電設備を計画的に設置していくという目標を立て、今年も着々と工事を進めているところです。
太陽光パネルの設置については、発電効率を向上させるために、設置場所を最適化していきます。
再生可能エネルギーや自家発電など、最適なエネルギーミックスのプランを作り上げることで、環境への取り組みを進め、環境面で社会をリードしていきたいと思っています。

地球環境を持続可能なものにするために
ゲストの安全と快適を確保しながら、体験価値を維持向上させつつ、「2050年温室効果ガス排出量ネットゼロ」という目標を達成するために、固定観念にとらわれず取り組んでいきます。
そのためには、日々の節電といった小さな取り組みはもちろん、新しく施設を建てる際に環境配慮設計を取り入れるなど、全社をあげての取り組みも進めていきます。
ゲストの皆さまが安心してテーマパークで過ごせるように、今、私たちにできることに取り組んでいきます。
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