1988年 前職入社
2001年 オリエンタルランド入社
  S.S.コロンビア・ダイニングルーム スーシェフ
2003年 フード販売グループ(ランドノース) スーシェフ
2008年 ブルーバイユー・レストラン シェフ
2011年 フード販売グループ(ランドノース) シェフ
2017年    東京ディズニーランド マスターシェフ
2019年 エグゼクティブシェフ 現在に至る

これまでのキャリアについて

~店舗をひとつにまとめていくスーシェフ時代~

 東京ディズニーシーオープンのタイミングで入社し、東京ディズニーシーのレストラン店舗に配属になりました。当時はオープン準備で忙しく、日々店舗のメンバーと顔をつき合せながら、「これからどんな店にしていこうか」と議論を交わしたのを覚えています。

 

 特に苦労したのは、メンバーが同じ方向に向かえるように導くことです。
パークのレストラン店舗には、社員だけでなく、キャストの皆さんもたくさん在籍していますし、年齢や価値観も様々です。それぞれの想いを一つにすることには本当に苦慮しましたが、今振り返るとそれだけやりがいを感じられる仕事だったと感じています。

 

 また、限られた時間の中でクオリティの高い料理を提供することは我々の一つのミッションでした。そのため、クオリティの高いお料理を少しでも早くゲストにご提供できるようにすることを目指して、かなり知恵を絞りました。まさに、クリエイティビティを発揮してアイディアを生みだす、良い経験ができたと思っています。

 

~経営視点を磨いたシェフ時代~

 シェフに昇格してからは、東京ディズニーランドのブルーバイユー・レストランに配属になりました。東京ディズニーランドの中で格式高いレストランということもあり、経営視点を持ちながら、いかにゲストに喜んでいただける料理をご提供するかを考えるのはチャレンジングでした。そのためにどうすべきか、オペレーションやメニュー構成の工夫など、徹底的に思考し続けた期間でした。


 メニュー開発については、常にゲストのニーズや、喜んでくださる姿を想像しながら考案するということを信念としてぶらさず、その部分を守りながらも、キッチン内だけでなく、ダイニング側のオペレーションも含めた工夫をこらし、少しでもゲストをお待たせしないメニュー提供を目指しました。経営視点を磨きながら貢献することができたと思っています。

 

 また、シェフとして社員やキャストの管理をすることも重要です。キャストに関してはスーシェフ任せにすることなく、自らコミュニケーションの機会をもち、店舗としての方向性を一つにすることに注力しました。また、スーシェフの育成もシェフの責務と考え、いいところは認めて、改善すべきことは率直に伝えることを意識していました。総じて、経営視点を常に持ちながら、ヒト・モノ・カネのバランスを考え抜いた期間だったと思っています。

~メンバーの自主性を重んじたマスターシェフ時代~

 その後東京ディズニーランド担当のマスターシェフを約2年間担当しました。マスターシェフはテーマパーク内の複数店舗を跨ぐエリアを担当し、調理に関する指導・助言を行う管理職としての役割を担います。


 マスターシェフとして大切にしていたのは、店舗が主体的にやりたいと思うことをバックアップできる体制にすること。しっかりと方向性は示しつつ、店舗でこんなことをやりたい!とあげてくれたことについては、自分が責任を取ってメンバーに任せる、そんな組織運営を目指していました。

 

 テーマパークの世界感にフィットしない場合は、フィードバックを行いながら育成を図りました。担当エリアが東京ディズニーランド全域と広範囲だったので、エリア全体で食体験の提供価値を向上させることを意識して考えていました。

 

~エグゼクティブシェフとして目指すのは「テーマパーク料理」ジャンルの確立~

 現在は東京ディズニーランドおよび東京ディズニーシーの総料理長であるエグゼクティブシェフとして、テーマパーク全域のメニュー開発、調理、調理に関する教育について総合的な指導・助言を行う役割を担っています。エグゼクティブシェフとして、現在は正しい組織体制に導くことを責務として取り組んでいます。足もとでメンバー一人ひとりが働きやすい環境を構築することが、次の世代につながっていくと考えるためです。

 

 また、今後目指したいのは、「テーマパーク料理」というひとつのジャンルを確立させることです。外食と比べても、テーマパークの料理は全く別物で、ここにしかない唯一無二のメニューです。そのため、和・洋中等のジャンルに並び立つ、「テーマパーク料理」というジャンルを、調理職メンバーと一緒になって本気で確立したいと考えています。

Q&A

Q1 オリエンタルランドへの入社動機は?

 前職で「シェフは調理技術だけでなく、人を育てて引っ張ることが大切だ」とずっと言われ続けていました。それまで、自らの調理技術を磨いてきた自負がある中で、経営視点や人の管理が非常に大切になっていく、伸ばさねばならないと感じていました。


 ではどのように磨いていこうか、と考えた時に、たまたま見つけたのがオリエンタルランドの採用募集でした。オリエンタルランドは人を大切にしていて、人材育成にも長けている印象があったので、自分が課題に思っている部分が強化できるのではないかと考えたのがきっかけです。入社後も、その印象は変わっていません。

Q2 前職の経験で活きていることを教えてください

 前職で、様々な領域のシェフと繋がりを持っていました。
オリエンタルランドに入社した後にも、その繋がりで料理のトレンドを掴むことができたことは、非常に活かされたと思っています。調理の世界において、流行は流動的に変わっていきます。そのトレンドを逃さずに、実際にメニュー開発に取り入れたり、メンバーへ還元することができ、役立っています。

Q3 オリエンタルランドの魅力は?

 人材育成についてはもちろんのこと、料理人として特に感じるのは、パークメニュー開発のやりがいです。オリエンタルランド入社前に経験してきたメニュー開発では、好きな食材を投入し、ある意味思い通りの開発ができました。


 一方で、パークメニューを開発するにあたっては、限られた条件下で、パークらしさを盛り込み、ゲストへの提供時間に配慮しながらクオリティの高いメニューを開発することが非常に重要です。とても難しく、料理人としての創造力が問われる仕事だと感じています。難易度は高いですが、大きなやりがいを感じています。

 

 また、パークには和・洋・中、様々なジャンルのレストランが存在します。これも実は料理人にとってはメリットだと考えています。多ジャンル存在するということは、一つの分野だけに囚われず学べるということ。どのジャンルにしても、他ジャンルの技法を取り入れてはいけないというルールはありませんから、この学びが創造力を養うひとつのきっかけにもなると考えます。

Q4 調理職メンバーに期待することは?

 料理の一番の面白みは、どこまでいっても終わりがないことだと考えます。
とにかく料理に興味を持つこと、自ら情報を常に収集し、自己啓発をしていくこと。常に自分自身を高めることを忘れずに自己研さんに励んでほしいです。


 また、テーマパーク内にも様々なレストランがありますが、自分が配属された先で、「自分ならではの色」を料理に反映させていってほしいと思います。

Q5 応募者へのメッセージ

 オリエンタルランドに入社するからには、入社して終わりということではなく、高みを目指し、個性を出せる人になっていただきたいと考えます。オリエンタルランドは、料理・人材育成の両輪を学べる会社です。オリエンタルランドでしか経験できないことは沢山ありますから、その土壌をうまく利用して、同じ目標に向かって進んでいける方にご応募いただけることを期待しています。