ディズニーテーマパークにおけるコンセプトやパーク運営の基本的な考え方について、いくつかご紹介します。
世代を超え、国境を超え、あらゆる人々が共通の体験を通してともに笑い、驚き、発見し、そして楽しむことのできる世界。
「私はディズニーランドが、幸福を感じてもらえる場所、大人も子供も、ともに生命の驚異や冒険を体験し、楽しい思い出を作ってもらえるような場所であってほしいと願っています。」というウォルト・ディズニーの言葉があります。
あらゆる世代の人々が一緒になって楽しむことができる“ファミリー・エンターテイメント”を実現したいというウォルト・ディズニーの思いがディズニーランドを生み出し、この考えがディズニーテーマパークの基本コンセプトとなっています。
ディズニーの世界を演出するために、園内の建物から音楽にいたるまで、あらゆるものがテーマを持って設計され、非日常的な空間を創りだしています。
東京ディズニーランドや東京ディズニーシーは、訪れたゲストに様々な体験を提供するための「青空を背景とした巨大なステージ」であり、パーク内のあらゆるものがテーマショーという観点から考えられ、構成されています。そこにお迎えするお客様を「ゲスト」と呼び、我々はそうした舞台で働く従業員を「キャスト」と呼びます。ショーには、テーマやストーリーが必要であり、それぞれの施設、エリアにおいて、すべてのものが舞台装置として設定されたテーマをもとに統一されています。その中でゲストは冒険、歴史、ファンタジー、未来をテーマとした日常の生活には存在しないような憧れに彩られた世界を、人間の持つ五感すべてを使って楽しむことになります。これこそがディズニーの提供する“テーマショー”なのです。
ディズニーテーマパークでは、Safety(安全)、Courtesy(礼儀正しさ)、Inclusion(インクルージョン)、Show(ショー)、Efficiency(効率)という5つの行動基準を設けています。
東京ディズニーリゾートのキャストのゴール「We Create Happiness ハピネスの創造」を実現するために、ディズニーテーマパーク共通の「The Five Keys~5つの鍵~」という行動規準に基づき、すべてのキャストが判断、行動しています。
行動規準の中で第一に優先するのが、“Safety(安全)”です。どの施設も技術的な安全には十分な配慮がされていますが、ゲストにとって安全な場所、安らぎを感じる空間を作りだすのはキャストの役目(仕事)です。
2つめの鍵は、“Courtesy(礼儀正しさ)”です。単に、言葉づかいや対応が丁寧なことを示すのではなく、相手の立場にたった、親しみやすいおもてなしのことを言います。東京ディズニーリゾートではあらゆる年代、様々な国籍のゲストがいらっしゃいますが、“すべてのゲストがVIP”であり、心を込めておもてなしをしています。
3つめの鍵は、“Inclusion(インクルージョン)”です。さまざまな考え方や多様な人たちを歓迎し、尊重することを示しています。すべての鍵の中心にあり、他の4つの鍵のどれにも深く関わっています。
4つめの鍵は、Show(ショー)です。パーク内のあらゆるものが、テーマショーという観点から考えられ、構成されており、もちろん東京ディズニーリゾートで働くキャストもショーの一部です。期待を持って東京ディズニーリゾートを訪れるゲストのために、「ショーは毎日が初演」の気持ちを忘れずに、ショーを演じています。
最後の鍵は、Efficiency(効率)です。効率は大切ですが、安全や礼儀正しさ、ショーを無視して効率を優先しても、ゲストにハピネスを提供することはできません。
安全、礼儀正しさ、ショーを心掛け、チームワークを発揮することで、効率を高めます。
こうした基本理念を忠実に守りながらも、「永遠に完成しない」場所として、これからも東京ディズニーリゾートは日々進化を続けてまいります。