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フード仕入開発部 フード仕入グループ

『食の安全とコスト効率化を両立するフード仕入開発部』

ショー開発部の仕事

東京ディズニーリゾートが手がけるビジネスにおいて、フード本部の業務は飲食に関するゲストの満足と売上を支える重要なコンテンツである。このフード業務を支えるのがフード仕入開発部だ。パーク内の食材仕入と食品管理を担い、ゲストの食の安全性を確保しつつ、安定的な供給を持続させるという業務に取り組んでいる。フード仕入開発部フード仕入グループマネジャーの江原太さんと増田博史さんに、その仕事について伺った。

【江原】 フード仕入グループの主な役割は、食材の確保と店舗への供給がメインの仕事になります。会社全体からすると収益部門になりますので、ゲストへの安全性を担保したものを安定的に供給しつつ、利益を最大化していくことも大きなテーマになります。

【増田】 売上を伸ばすという部分では、メニュー開発グループと調整しながら、ゲストのニーズにマッチしたものを開発して店舗に供給するということも役割の一つになります。メニュー開発担当者との協議を重ねて、求められた食材を見つけ出し、価格交渉をして買い付ける。その食材が加工され1つのメニューとして販売が開始された後は、食材を過不足なく供給するための在庫管理なども私たちの仕事になります。

【江原】 私たちが取り扱う商品は、食品ですので、加工の段階でどうしてもメニュー開発時に思い描いていたイメージ通りにならないことがあります。

【増田】 クオリティは確保しなければならないですし、開発や、実際にメニューを提供している飲食店舗としてはこだわりもあります。もちろん製造元であるお取引先にも、良いものを提供しているというプライドがあります。複数の意見を一番良い方向にまとめ上げて調整していくのも重要な仕事です。

エンターテイメントプログラムの制作

食品仕入れを一手に担うフード仕入部門の仕事には、パーク内飲食店舗や取引先とのコミュニケーションの他にも、新商品の開発やパーク内のイベント企画に合わせたメニューの供給など、他部門との調整を必要とする場面が多い。そして、その調整は部門内の売上や利益に偏ることなく、企業全体の利益を考慮したものでなければならないという難しさがある。

【江原】 難しさという面では、やはりイベントのものは予想が難しいですね。予想できないことが突発的に起こることがあります。

【増田】 私の担当した商品で、あるイベントに連動したメニューがあったのですが、そのイベントがこちらの予想以上に盛況で、在庫状況が著しく低下してしまうということがありました。事前に先輩方からのアドバイスなどをいただき、自分ではこれでいけるだろうと思っていたのですが、それでも見通しが甘かったと反省しました。

【江原】 初めてのイベントだったため、予測しにくかったことが最大の理由です。イベントの初日に来園されたゲストの数が予想を遥かに超えたという報告は受けていましたが、人気メニューともなれば売上げ目標の何百%にもなる可能性があります。扱う商品自体も在庫がないからといって他からもらうこともできないため、在庫調整はとても困難です。

【増田】 初めてのイベントであったため、取引先には通常よりも大幅に予想を上回る可能性がある旨は伝えており、お取引先にも十分に準備をしてもらっていたにも関わらず在庫が著しく低下したことがありました。ただ、このことがバイヤーとしてどんな準備をしなければならないのかを突き詰めて考えるきっかけになり、今の自分の糧となっています。

プログラム制作に必要なこと

ゲストに喜びや感動を提供するビジネスを営むうえで、リスクマネジメントは欠かすことができない。特に食の安全に対して社会的な意識が高まっている中、オリエンタルランドでは食材の賞味期限管理に関するプロジェクトを推し進めたという。

【江原】 リスクマネジメントに取り組むにあたって、私たちが着目したのは食品の賞味期限管理でした。それまではお取引先からの入荷の際と、店舗ごとの目視および手書き管理によって賞味期限をチェックしていたのです。

【増田】 アナログ的なチェックというものは、作業効率も悪かったため、よりよい管理体制にすることが課題でした。食の安全に対しての社会的な意識が高まる中、当社としても人員を増やしたり、チェックの回数を増やしたりなどの対応をしてきたのですが、作業効率のみならずコスト面でも問題がありました。

【江原】 加えて、もっとシステマティックな管理に変えなければならないと判断したのがプロジェクト発足のきっかけですね。

【増田】 そこで、それまではお取引先から直接店舗に食材が配送されていましたが、一括して保管できる「外部物流センター」という場所を設けました。同時に、外部物流センターと店舗の新たな運用のためのシステム構築などのインフラ整備と運用ルールを策定しました。現在は、外部物流センターへの入荷と店舗への出荷の際、そして店舗側での入荷の際と三段階で、食材の賞味期限チェックが行われています。食材の管理もバーコードを読み込むだけでできるようになり、安全面と、作業効率が非常に高くなりました。

【江原】 ただ、このプロジェクトは社内的な意思統一はできていても、お取引先との調整という面では非常にエネルギーを使いました。

【増田】 今までのやり方をこちらが掲げた新たな運用システムの実施という目的に合わせて変えてもらうために、お取引先にこのプロジェクトの必要性を納得していただくことは大変でした。また、その説明だけでなく、管理用バーコードの貼り方などをチェックするために、外部物流センターにも何度も足を運びました。いくらこちらの体制が整っていても、外部物流センターでバーコードの貼り間違えなどがあっては、意味がなくなってしまいますから。

【江原】 おかげさまで、現在はシステムの実稼動に支障もなく、驚くほどスムーズに食材の管理が行えるようになっています。食の安全は守られていて当然ですが、それをより確実に精度の高いものにするためには、多くの人の努力と協力が必要なのです。

このプロジェクトによって、食の安全管理の向上、店舗側の作業効率の更なる向上を図ることができた。もちろん、新しいシステム構築には準備期間も含め、多大な労力と投資がかかったが、長期的な視点から考えれば、リスクを組織的にマネジメントすることにより、オリエンタルランドのビジネスに対して大きな貢献を果たしたと言えるだろう。フード仕入開発部は、地道な努力を続けることで、パーク内の『食の安全』を守り続けている。