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Case Study 4

キャストの人財育成 [スーパーバイザー職]

フード本部 フードオペレーション部 第1バフェテリアサービスグループ

スーパーバイザーは様々な業務に取り組んでいますが、人財育成は欠かすことのできない重要なカテゴリー。月1回の定例会議でも全体の半分近い時間を割いて話される案件です。“ゲストが満足する料理”という形ある商品を通してサービスを実施する側面もありますが、ゲストの満足度向上の鍵は人が作り出す“無形のサービス”。この“無形のサービス”の充実を図ることこそ、店舗ひいては会社の継続的成長へと繋がります。
スーパーバイザーは長い期間をかけて人財育成を実施。時に個人に目を向け、時にチーム全体に目を向けながら、常に一定レベルの品質を保てるよう人財の充実を図ります。

 
1.計画

1-1. 人財の量と質を把握

年間のイベント計画や入園者予測からゲストの入店人数を予測。
訪れたゲストに対して一定のサービス品質を保つために必要となるキャストの人数を算出します。また、ある程度のスキルを必要とする業務があるので、その業務が行えるキャストが不足していないかの確認も行わなければなりません。安定的に店舗を運営するためには、現状だけでなく未来にも目を向けなければなりません。

担当者の声

計画は根拠を持って作らなければならないものです。無計画に人員数を増減させたら、ES(従業員満足)に悪影響を及ぼす結果となり、CS(顧客満足)を生み出すチーム作りはできません。人という最も大切にしなければいけない財産に関わるからこそ、失敗は許されませんし、育成計画にはスーパーバイザー同士で頭を悩ませつつ対話を繰り返します。

1-2. 育成計画

3ヵ月後、半年後、1年後を見据えた人財育成を計画。この時期、このスキルを持ったキャストが何名必要か?全体で何人のキャストがいれば適正なサービスが実施できるか?新しいキャストを採用した場合、そのキャストを指導・育成できる人財は揃っているのか?計画段階で漠然とした数でなく具体的な人数を算出します。

担当者の声

直近や前年同期の実績や日報、現在の外的要因、そしてチームの状況を照らし合わせながら、育成計画を組み立てなければなりません。前述の通り、計画に「根拠」を持たせるためです。このような業務はデスクワークが主になります。日々、変わらず営業している店舗の様子をモニタリングしながら、デスクワークの時間を作り出していくことは、やはり苦労が多く自身のタイムマネジメントを振り返る毎日です。

 
2.実行

2-1. 成長を意識させる

2009年度からキャストの成長を意識させることを目的とした“ステップアップ表”を導入。この表には、「適正なゲストサービスをするためには○○○なスキルが必要」「次のステップに進むためには○○○までできなければならない」といった項目が明確に書かれています。キャスト全員に対し、成長の指針を明確に示していくことで、「成長したい」という欲求を刺激していきます。この表を導入し、キャストの成長スピードを上げることに成功しました。

担当者の声

『ステップアップしたくないキャストはいない』これは紛れもない事実です。感情を表面に出さないキャストも心の底では仕事で認められることを望んでいることがあります。しかしながら、スキルがまだまだ不足しているキャストを無理やりステップアップさせることはしません。何故ならゲスト満足度を向上させることを第一に考えなければならないからです。本人の「成長したい」という思いを刺激されながらも、なかなかステップアップすることができないキャストもいます。そのようなジレンマに悩まされることもありますが、厳しく対応することも本人のため、と考えることも必要だと思っています。 ただし、育成をそこで諦めるようなことは決してしません。その様なキャストの育成に最大限注力することが大切だと私は思っています。

2-2. 育成実施

実際の指導・育成は教育担当のキャスト(トレーナー)が行います。しかし、スーパーバイザーが指導・育成の実施に関与せず任せきりにしてしまっては、取り組みがスムーズに進みませんので、“フォローアップノート”というツールを使用しています。これは“ステップアップ表”をもとに「今、○○○のスキルが身についた」など、キャストの日々の成長度合いを明確にしている日誌です。これをトレーナーがトレーニング実施毎に更新し、スーパーバイザーがチェックしています。そのノートや対話を通して情報共有することで、それぞれのキャストに合った育成、アドバイスを常に行うことができています。また、このノートは今後の成長計画を立案するために役立ちます。

2-3. 定期的なクラス参加

時には通常業務を離れて何かを学ぶ場も必要です。フード本部が主催しているおもてなしを学ぶ 「ホスピタリティ・コミュニケーションクラス(2〜3回/月)」やトレーナーを強化する「トレーナーフォローアップクラス」などに積極的に参加してもらい、キャストの視野を広げる努力もしています。

 
3.検証

3-1. キャストへのフィードバック(個人に対するアプローチ)

“ステップアップ表”をもとに定期的な個人面談を実施。面談の中では、評価を通じた成長のフィードバックを行うと同時に、そのキャストにとっての今後の課題をその場で明確に伝えていきます。

担当者の声

褒めるにしても注意するにしても、言葉の選択には細心の注意を払います。同じ内容を伝えるのにも、言葉の使い方ひとつで受け手の捉え方は変わっていきます。モチベーションを上げるつもりのはずが、逆効果になってしまうこともあり得ます。受け手に良い影響を与えてこそ最良のフィードバックになるわけですから、言葉を学ぶことは欠かすことができません。人から本から音楽から…、様々な人やツールを通して「言葉の吸収」を心掛けています。

3-2. 実績を通したチェック(チームに対するアプローチ)

スーパーバイザーは、ゲスト満足度を向上していくと同時に、店舗の数値目標を継続的に達成していかなければなりません。キャストが確実に成長しているかどうかは、実績の数値に如実に表れます。この数値に着目することは、定量的に育成状況を測るのに有効な手段となるので、数値という観点からもキャストの育成状況を検証しています。

担当者の声

一番印象にあるのは、各キャストが1時間に何回の会計処理ができたかをデータ化してそれを分析し、店舗の改善に繋げたことです。『会計処理業務の効率化 → ゲストの待ち時間の減少 → ゲスト満足度の向上』という考えから行ったことです。その回数ごとに表に落とし込み、各キャストのスキルを「見える化」することで、適正な人員配置ができるようになり、同時に適正な育成計画を立案することができました。 そのデータの収集には苦労しましたが、成果につながったと強く感じることができる取り組みでした。

 
4.実行

4. 課題の抽出

個人、チームに対するアプローチの検証後、「なぜそのような結果になったのか?」を考察します。考えに考え抜いて得た経験、材料を次の計画に反映させ、繰り返し途切れることなく行っていくことで人財育成を図っていきます。

人財育成をしていく上でのゴールはありません。人の成長は限りなく、個人個人を行けるところまで伸ばしていくのがスーパーバイザーの役目です。私たちスーパーバイザーは、常に200人前後のキャストの上司となります。200人前後のキャストを指導・育成していくことは、骨の折れる仕事ではありますが、だからこそやりがいもあり、何より成長する自分を強く感じることができます。「人を育てる喜び」「人が育つ喜び」なくして、企業の成長はありえません。“パークは永遠に完成しない”というウォルト・ディズニーの言葉を具現化するためにも、優秀な人財が生まれる環境を作っていくことが、私たちスーパーバイザーの使命なのです。